作業療法士の仕事を領域ごとに解説!

作業療法士

こんにちは!作業療法士のしかです!

今回は作業療法士の仕事を、領域ごとに解説させていただきます。

この記事に興味を持ってくださった方の中には

  • 作業療法士ってどこで働いているの?
  • 作業療法士って病院や施設だけで働いているの?
  • 作業療法士が働く領域ってどんなものがあるの?

など、作業療法士が働く場についての疑問を持たれている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

作業療法士が活躍している場は非常に多岐に渡ります。

今回は作業療法士が働く代表的な領域について見ていきましょう。

身体障害領域

身体障害領域は、文字通り身体に障害がある方を対象とします。

病気や怪我の後遺症や麻痺などで日常生活に支障がある方に対して、身体機能の維持改善や日常生活能力の改善を目指してリハビリを行います。

対象とする年代は小児から高齢やまで幅広く、疾患も脳血管疾患や内部疾患、整形外科疾患など様々です。

例を挙げると、脳梗塞で左半身が麻痺してしまった人の自宅退院を目指したり、腕の骨折してしまった人が日常生活で手を使えるようになるためにリハビリをします。

作業療法士の中でもこの身体障害領域に関わる人が特に多いです。そしてその大部分が病院などの医療機関で働いています。

また、訪問看護ステーションなどに勤務して患者さんの自宅に訪問してリハビリをする訪問リハビリもあります。

他にもリハビリテーションセンターや保健所などの勤務先もあります。

対象年代小児から高齢者まで幅広い
代表的な疾患・脳血管疾患(脳梗塞、脳出血など脳の病気)
・整形外科疾患(骨折や関節症など)
・内科系疾患(心臓疾患や呼吸器疾患など)
目的・身体機能の維持や向上
・日常生活の自立度向上(自分でできることを増やす)
代表的な勤務先・病院(一般病院、総合病院、大学病院など)
・クリニック
・訪問リハビリ事業所
・リハビリセンター
・保健所

精神障害領域

精神障害領域は、精神に障害ある方を対象とします。

精神障害によって気分の浮き沈みがあったり、対人関係が上手くいかなかったりして日常生活に支障がでいる方に対して、精神症状や生活リズムの安定、社会生活を送るための準備などを行います。

対象とする年代は若年から高齢者まで幅広く、対象とする疾患は統合失調症や躁うつ病、アルコール依存症などがあります。

精神科作業療法は個別のリハビリの他にも集団で行うリハビリもあります。

軽スポーツで身体を動かし、他者と関わることで対人関係について練習したりします。

また、日常生活で苦手としていることの対処法ををロールプレイ形式で学ぶ社会生活スキルトレーニング(SST)なども実施するところもあります。

精神障害者は社会から孤立しやすいです。作業療法を通して社会との接点を持てるようにする役割があります。

対象年代若年から高齢者まで幅広い
代表的な疾患・統合失調症(幻覚や妄想など)
・躁鬱病(気分の高揚と落ち込みを繰り返す)
・アルコール依存症
目的・生活リズムの改善
・対人関係の改善
・社会生活の準備
代表的な勤務先・精神科病院
・クリニック
・精神科デイケア
・精神障害者支援センター など

老年期障害領域

老年期障害領域は、高齢者を対象とします。

加齢によって身体機能や認知機能が低下し日常生活に支障が出ている高齢者を対象にリハビリを行います。

高齢者に関わる作業療法は老年期障害に含まれるので、対象疾患は身体機能や認知機能に関わるものまで様々です。

例えば認知症があり太ももの骨を骨折した人など、認知面と身体面の両方の疾患にアプローチすることも多くあります。

また、高齢化が進むことは今後の大きな課題でもあります。これからも介護を必要とせず、健康に過ごすために予防的なアプローチも重要になってきます。

対象年代高齢者(65歳以上)
代表的な疾患・認知症
・脳血管疾患
・整形外科疾患
・加齢に伴う様々な身体機能の低下
目的・身体機能の維持や向上
・日常生活の自立度向上(自分でできることを増やす)
・病気や怪我の予防
代表的な勤務先・病院(一般病院、総合病院、大学病院など)
・介護老人福祉施設
・特別養護老人ホーム
・訪問看護ステーション など

発達障害領域

発達障害領域では、身体や日常生活能力、学習能力、社会性などに障害がある0歳から18歳までの方を対象とします。

対象疾患は脳性麻痺、筋ジストロフィー、自閉スペクトラム症、学習障害など様々です。

疾患により、正常な発達に支障が出ている子供に身体や精神面、環境面など様々な面からアプローチします。

発達過程のリハビリなので、これから成長していく上で様々な能力を獲得できるようにリハビリを行なっていきます。

また、対象となる子の親のサポートも大切な仕事です。

対象年代0歳から18歳まで
代表的な疾患・脳性麻痺
・筋ジストロフィー
・自閉スペクトラム障害
・学習障害など
目的・身体機能の維持や向上
・対人関係の改善
・発達のサポート
・親のサポート・指導
代表的な勤務先・病院(一般病院、総合病院、大学病院など)
・児童福祉施設、特別支援学校、保育所、母子通園施設
・発達障害児支援センター、障害者更生施設
・放課後等デイサービス

おわりに

以上、作業療法士が働く代表的な領域4つを解説させていただきました。

各領域ごとに対象とする患者さんや勉強する知識が異なりますが、患者さんの機能や生活を良くしたいという思いは一緒です。

また、今までに説明した4つの領域の他にも、作業療法士が働く場所があります。

例えば、養成校で教員として学生の指導に当たったり、企業に勤めて福祉用具の開発や販売に携わる作業療法士もいます。

このように作業療法士が働く領域は多岐に渡ります。

そして、今まで紹介した領域を合わせると障害の有無に関係なく、全ての人々に関わることができます。

それぐらいの可能性が作業療法士にはあると思っています。

この記事を読んでくださった方には、そんな可能性が伝わるといいなと思います。

それではここまで読んでくださりありがとうございました。

おわり

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